さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



その後、私たち四人は、迎えに来た巫静琉の車でエマまで戻ることになった。

無断外出について何か言われるかもしれないと苦い顔をしていた遥風たちだったけれど、意外にも咎められることはなく、むしろ『お前ら、完全に千歳にハマってんなぁ』と茶化される始末。


さらには、私のウィッグ無しの姿を初めて前に目にしたにも関わらず、それが当然だとでもいうように受け流していた。この反応を見るに──巫静琉は元から私の男装を知っていたんだと思う。

『すべて計算通り』とでもいうような落ち着き払ったその様子に、こちらとしてはもう何が何だか分からなかったけれど、とりあえず詳しく聞く余裕もなく巫静琉のマセラティに詰め込まれて。


運転席に静琉、助手席に私、バックシートに遥風たち三人が乗って、静かな朝焼けの中で車は出発。

最初の数分こそ、後ろの三人は『今回誰が一番貢献したか』で不毛なマウントの取り合いを続けていたけれど、十分ほど経った頃にはもう全員が疲れ切ったように眠りに落ち、不規則な寝息を立てていた。


そんな中で、強制的に眠らされていたとはいえ一応睡眠を取っていた私だけが起きたままで。

微かなタイヤの走行音の中、窓の外を流れていく群青色の空をなんとなく眺めていた。


時刻は既に4時を回っている。つまり、私のせいで後ろに座っている三人をほとんど徹夜させてしまったってことだ。大切な本番前だっていうのに、本当に申し訳なさすぎる……。

と、死ぬほど罪悪感を覚えてキリキリと胸奥が痛くなる私に。


隣でハンドルを握っていた静琉が、クスクスと楽しそうに笑いながら口を開いた。