さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



そっ、その反応になるよね……。

ちょっと首をすくめる私の代わりに、遥風が栄輔に説明する。


「千歳は女の子だよ。お前千歳のことやたら好きだから、ワンチャン気づいてんじゃないかと思ってたけど」

「いやっ……えっなんでなんでなんでなんで??こんなラブコメのベタ展開みたいなことってあっていいの??あ待って分かったこれエマプロのドッキリだ?!」

「……あの、栄輔」

「声かわいっ」


もう観念して全てを話そうと地声で口を開けば、被せるように驚かれ、なんとなく話しづらくなる。と、そんな私たちの間に割って入るように遥風が座り込んで、私にかけられた手錠をカチャカチャと外し始めた。


「栄輔、俺これ外すから縛られてんの解いてやって」

「えっ?!あぁ……」


遥風に指示され、栄輔は慌てたように私のそばに膝をつく。


「……すみませんちょっと触りますね?解くんで、一旦ごめんなさい」


いちいちそんな許可取らなくてもいいのに、まるで壊れ物に触るような感じで、遠慮がちに私を縛っている硬いナイロンテープに手をかける栄輔。

けれど、やっぱり結構キツく縛り付けられているせいか、解くのが難しいらしく。


「……クソ、こんなキツくして可哀想だろ…………ってかヤバい手震えて無理だこれ」


しばらくちまちまと格闘していたけれど、やがて苛立ったように、グシャリと髪をかき上げる栄輔。

さっきから、栄輔の動揺は明らかに伝わってくる。手元はおぼつかないし、心臓のバクバク音がこっちにまで聞こえてきているし……なんだか申し訳なくなってくる。

と、そんな栄輔を冷ややかな目で見ていた遥風が、さらりと口を出してきた。