…………んっ?
ギョッとして、慌てて周囲を見渡してみると。
いつの間にか、峰間京は扉の隙間から家の中に入り込んでいた。
おぉーーーーーい待て待て待て!!何やってんのお前?!!
「っ?!おい、何やってるんだ戻りなさい!!」
俺のリアクションでようやく異変に気づいた義父が、振り返って怒号を飛ばすと。
京はポケットに手を入れたままくるりと振り返って、ちょっと首を傾げた。
「え、俺虫なんでー……家宅侵入しても別に問題ないっすよね?」
な、何なんだコイツ……。いつ気配が消えていつ家に入り込んだのか全く分かんなかった。壁伝って3階から降りるし、ガチの忍者じゃん怖すぎるって。
ドン引きする俺の隣で、遥風は『あいつやったわ』とでも言うようにニヤニヤしてて、お義父さんは呆れと苛立ちの混じったようなため息を吐いている。あ、流石に峰間京の狂人っぷりにはイラつくんだこの人も。良かった、ちゃんと人間だわ……。
「……今回だけだ。上がりなさい」
一人通してしまったなら全員通しても同じだと思ったのか、お義父さんは案外呆気なく俺たちを招き入れてくれた。
敵であるはずのお義父さんにちょっと同情してしまうのは、俺も峰間京のウザさを知っている被害者だからだろうな。すみませんねうちの虫が……。
