「3180円ですね」
「あ、はいっ」
慌ててポケットからスマホを取り出す俺。まだ微かに震えている指で、財布から千円札を何枚か取ろうとまごまごしていると。
それより先に、隣の遥風がスッとクレジットカードを一枚差し出した。
「お願いします」
……は、なんだそのスマートな行動。俺が払うつもりだったのに。カッコよくてムカつく。
なんとなく、遥風だけに払わせるのは癪だしちょっと申し訳なかったので、俺は財布から千円札を取り出して横から差し出した。
「はい」
「は?なんで」
「なんでって……俺は意外とこういうとこきちんとしときたいタイプなんだよ。お前らクズと違ってマメなんでな!」
せっかく出すって言ってるのに感謝もしない遥風にイラついて思わず嫌味を返すと──
クズ二人組は顔を見合わせてちょっと黙った後、同時に吹き出した。
「……はいはい。親金で見栄はってかっけえな」
「よっ!シックスパック君!」
「あもうホント嫌いお前ら」
なんで金出しただけなのにそこまで冷笑されないといけねーんだ。あと遥風はまぁ分かるけどヒモ生活三昧してきた峰間京は黙っといてくれ。しれっと遥風に全額払わそうとしてるお前の方が明らかタチ悪いからな!
……と、くだらない喧嘩をしている間に、支払いは終了したようで。
