「ってわけで、時間ねぇから早く行け栄輔」
「……おおおお俺っ?!」
安全圏から峰間京をいじめて楽しくて仕方なかったのに、いきなり現実という名の冷水を浴びせられ、俺は素っ頓狂な声を出す。
遥風……お前さっきまで仲間だったのに、最初に死地に送り込んでくるのかよ。裏切りもいいところだって!!
「俺分かんねぇよ!慣れた奴が最初に手本見してくれた方がいいだろ」
焦りながら必死にそう訴えるけれど、この悪魔二人組が俺に優しさを見せてくれるはずもなく。京は慣れた手つきでロープを括りながら、ふっとバカにするように横目で見てくる。
「あれ何震えてんの?筋肉ないからって落ちそうでひよってんのかな〜?」
あっクソ、また峰間京にナメ散らかされてるっ……。
コイツさっきから俺のこと何も知らないくせに偏見でモノ言ってきやがって。苛立った俺は、思わずムキになって言い返す。
「別に俺だって普通に運動神経良いですし、一応腹筋も割れてますからね!!」
「……それ自分で言っちゃうかぁ」
「すげぇーカッケェー」
「あっおいこういう時だけ意気投合すんのやめろクソ」
コイツら本当にどうしようもねぇいじめっ子すぎる。少しでもいじれそうなターゲットを見つけたら寄ってたかって殴ってきやがって。こんなのを『王子様』として推してるファンの皆様に本性暴露してやりてえよ……。
