……え、マジで何言ってんの?普通にイカれてるって。3階だよ?ようやく何年もリハビリ頑張ってやっと踊れるまで回復したのに、デビュー直前で粉砕骨折とか俺ぜってー嫌だからな?
ちょ、こればっかりは頼む遥風。お前ならもっとクレバーな手段思いつけるだろ。もっと現実的で身体的リスクの少ない、ちゃんとした案を……。
と、最後の希望に縋るように、遥風に視線をやるけれど。
「……ふーん。やったことあんの?」
「抜け出して女のとこ行く時毎回これ」
「なら大丈夫か」
いやおいおいおい納得すんな?大丈夫なわけねぇだろ??ってかそれ以前に抜け出して女に会いに行ってる部分に突っ込めよ。
はぁ……こういう時遥風は『何バカなこと言ってんだ』って止めてくれる側だったはずなのに、変わっちゃったな。
多分、式町睦っていうタガが外れたからどんどん本性出てきちゃってるんだ。きちんとルールを守っていたのも完璧主義だったのも、おそらくは式町睦という圧力のせいで。
けど彼が完全な敵サイドに回った今、もう怖いものは何もなくなって、抑え込まれてた危うさとか自由さがどんどん出てきちゃってる。
そんな状態で峰間京と組んだら、そりゃ世紀の問題児コンビ爆誕するよな……。
半ば諦念の境地に達しつつ、俺は死んだ目で口を開く。
「まぁ良いっすけど俺が死んだらお前自殺教唆罪で起訴されてくださいね」
「いやもうガチ任しといてほしい絶対大丈夫だから」
「根拠は」
「ない」
「死ねよ」
「じゃあ分かった、もしこれでシクったらお前罰ゲームな」
「どんな?」
遥風の提案に、京はちょっと面倒そうに目を細めた。
クソガキ煽り魔の峰間京に罰ゲーム……?めちゃくちゃ面白そうな話題を嗅ぎつけた俺は、すかさず乗っかる。
