「……だからとりあえず、外出さえできれば案内できるんすけど。こんな男三人でバレずに無断外出とか、割と不可能に近いからどうしようかなって」
そう。俺たち参加者は、無断での敷地外への外出を禁止されている。許可を取れば出れるっちゃ出れるんだけど、そのためにはそれ相応の理由が必要となる。
本番前のこんな深夜に俺ら三人で外出したいとか言い出せば、絶対に怪しまれるに決まってる。割と詰みだと思うんだけどな……。
と、そんなことを考える俺の横で、不意に京が「あ」と呟いて顔を上げた。
急にどうした……?
怪訝に思う俺たちをよそに、京は床に置いてあった自分のスーツケースを引き寄せ、ガサゴソと漁って。
やがて、「あったあった」と笑いながら──何やら、長くて太いロープのようなものを取り出した。
………………ん?
何ですか、それは。
ぐるぐる巻きにされているけれど、そのボリュームを見るに、長さは10メートルないくらい。つまり、3階のこの部屋から1階の芝生まで行くのにちょうどいい長さってことで……。
…………。
まさかないとは信じたいけれど、どうしても嫌な予感がひしひしと湧き上がって、表情が引き攣ってくる。マジでちょっと待てって。峰間京お前頭良いくせに、まさかそんな脳筋的な発想で乗り切ろうとしてるんじゃねぇよな?頼むよ……??
と、必死で願う俺の心の声も虚しく。
「このロープ伝って窓から降りよ。壁に足突っ張って体勢整えながらいけば余裕」
地獄のようなアイデアが提示されてしまった。
