「千歳の義父は、千歳を無理やりオーディションに送り込んだ張本人だ。つまり、デビューさせたがってる。なら、デビュー前に危機に晒されてるってなったら助けようとするんじゃね?」
……ん?
ちょ、待って。
千歳くんって無理やりオーディションに参加させられてたの?!しかもあの父親、義父かよ……!!
常識のように次々と投下される衝撃の事実に、頭がついていかない。
いや、確かに千歳くんの父さん、めちゃくちゃ若いし美形だなとは思ってたけどさ……。
千歳くん、いつも全然自分の話してくれないから全く知らなかった。っていうか、遥風はいつの間に千歳くんからそんな話聞いてたんだよ。
やけに遥風と千歳くん仲良いのは知ってたけど、そんな深い話までするような関係だったのか……なんか妬けてきた。
「……そいつ、信用できんの?」
遥風の話を黙って聞いていた京が、ちょっと不機嫌そうな顔でちょっと首を傾げた。
遥風は「さあな」と肩をすくめてから、冷静に続ける。
「ただ……話を聞く限り、その義父が千歳に異様な執着を持っているのは確かだ。引き取ったその日のうちに、高級サロンに連れて行って、高級ブランドの服や化粧品を、何百万単位で買い与えて……あげく、書類審査すらすっ飛ばしてエマプロにねじ込んだ。そんな狂気じみた金と労力を注ぎ込んで作り上げた『お人形』が、他人の手によって壊されようとしてる──黙ってるわけないだろ?」
