「とりあえずそんなことより……千歳くんのことですよ。早めに上に報告しときませんか?」
まだじんじんと痛みの残る頭をさすりつつ、俺は遥風と京にそう投げかけた。
俺たちだけでこの件をどうにかできるわけがない。何かあったらとりあえず大人に連絡するのが鉄則だ。
と、そんな考えのもとでの俺の提案は──
「絶対ダメ」
「お前バカ?」
と、両者から間髪いれず却下された。
なっ、なんで……?
納得いかず首を傾げる俺に、淡々と続ける京。
「無条件に大人を信用しない方がいいよ。式町睦は、確実に番組の運営側や制作スタッフと繋がってる」
なんでもないようにさらりと告げられた京の言葉に、思わずハッと息を呑んだ。
そっか……あの人、実質今のエマで社長より権力あるみたいなもんだから、情報を得るパイプはきっとたくさん持ってるんだ。
思わずごくりと喉を鳴らす俺に、遥風も続ける。
「俺らが探してるってバレたら、睦のことを余計に刺激して千歳をさらに危険に晒すだけだ。だから、今は秘密裏に俺らだけで動くのが最善」
「まだ、どっからが敵でどっからが味方か分かんないしね。極論、誘拐に社長も加担してたりして」
そんな可能性は無いと思うけど……でも、彼らの言うことはもっともだ。危なかった……こいつらがいなければ、俺、バカ正直に上に報告しちゃうとこだった。
と、結構感心しつつ。
となると、俺らは一体どうすればいいんだ……?と少し首を捻ってしまう。
