そうして、俺と遥風の二人は、峰間京と千歳くんが使っている部屋に招き入れられることとなった。
扉を開けた途端、ふわ、と香るのは、俺の使ってる部屋とはまるで違った匂い。
控えめな甘さにスパイスが混じったような大人びた香水は、多分峰間京の香りだろう。
けれど、それに混ざって、もっと淡くて優しい匂いがする。こっちが、千歳くんの匂いだ。
そのまま、なんとなく二段ベッドに目をやる。
下段のベッドは、だいぶ布団が乱れてて、ジャージとか投げ出されっぱなしで、充電コードなんかが散乱してる。
うわ絶対こっち峰間京のベッドだろ。いかにも、って感じだ。
で、下段のベッドが京ってことは……?
俺はちょっと背伸びをして、天井に近い上段のスペースを覗き込んでみる。
そのベッドは、下段とは全く違って、驚くほど綺麗に整えられていた。ベッドメイキング完璧で、クッションの向きまできちんと揃えられてる。
白っぽいブランケットがふわっと整えられていて──すげえ寝心地良さそう。
あれが千歳くんのベッドか。
…………えー。ふーん。やば。
めちゃくちゃ添い寝してぇんだけど。
千歳くん、ぜっっっったい、良い抱き枕になる。だって、実際抱きしめて分かったけど、千歳くんの身体ってガチの女の子みたいに小さくてふわふわしてる。髪さらさらだし、思春期男子の理性ぶっ飛ばしそうな良い匂いもするし。
それに、キスした時の唇だって──
「……栄輔さ、今エロいこと考えてるでしょ」
「はあっ?!」
不意に京からボソッと突っ込まれ、思わず素っ頓狂な声が出た。
そっ……そんな変なこと別に考えてなっ……!!!
…………。
いや……はい、考えてましたよ?!ごめんなさい、めちゃくちゃ考えてました普通に!!クソほど変態の妄想してましたよ!!すみませんでしたっ!!
……いやいやいやでも俺はお前らと違って声には出さないぶんマシ!!っていうかそもそも中学生男子なんて、好きな子の部屋入ったらみんなそんなもんなんだから許せよな……!!
