とりあえず話を聞くに、千歳くんは多分、遥風やら峰間京やらヤバい奴らからの執着受けてだいぶ憔悴してるんじゃないだろうか。ちょっと俺、放っとけないな、これ……。
心配してしまった俺は、ポケットの中からスマホを取り出し、LINEを開いた。
──まだ起きてるかな、千歳くん。
繊細な千歳くんのことだから、びっくりしちゃって寝れなくなっちゃってそう。だとしたら、俺が話聞いてあげたいな……。
そんな思考に促されるように、俺は連絡先から千歳くんのアイコンを見つけ、タップした。
「……ちょっと俺、千歳くん心配なんで電話してみますね」
一言断って、少し躊躇いつつも通話ボタンを押してみる。
すると、両隣の峰間京と篤彦くんが揶揄うターゲット発見とばかりに画面を覗き込んできた。
「あれ、お前もしかしてワンチャン狙ってんの」
「欲情したん?♡」
「うるさいっ!!あんたらと一緒にしないでもらえますかっ?!」
鬱陶しい奴らをバッと追い払って、はぁーーっと大きなため息を吐く。
こんなとこで電話しても、野次を入れられるだけだ。
部屋から出よう……。
そう思って腰を上げ、廊下に移動しようと部屋のドアノブに手をかけた──
その時。
『〜〜♪』
ドア越しに、微かに聞こえてくるコール音。
……あれ。
千歳くん……もしかして、まだ近くにいる?
慌ててガチャッ!!とドアを開けてみるけど、そこに人影らしいものは何もない。
代わりに──通話のコール音だけが、静寂の中に鳴り響いていた。
え……?
