遥風と千歳くんのこともショックだけど、それ以前に、こんなヤバい奴二人に板挟みにされてる千歳くんが可哀想すぎるって。俺が守んなきゃ……。
と、衝撃発言の連発で完全にカオスと化した部屋の中──
ようやく、ずっとダンマリを決め込んでいた遥風が、涼しげな表情でさらりと落とした。
「LUCA合宿二日目の夜、千歳体調崩してて寝込んでて。看病だけするつもりだったんだけど」
「キモ」
「さいってーだぞお前?!!」
火に油を注ぐ追加情報に、怒涛の非難は止まらない。
確かに、二日目のパフォーマンスの後千歳くんは体調を崩してしまっていた。
俺も看病に行きたかったのに何故かカンナさんに止められてて……なのに、なんで遥風は普通に千歳くんの部屋入れてんだよ?!
しかも寝込んでて抵抗できないとこ襲うって、何考えてんだマジで。千歳くんのあのほっそい腕でお前みたいなデカい奴押しのけられるわけねぇだろ?!
怒りで頭に血が昇って逆に何も言えなくなる俺を前に、遥風は悪びれもせずさらっと肩をすくめた。
「いや、だってなんか脈アリっぽかったんだもん押したくなるだろ」
「それ熱で顔赤かっただけじゃないの」
「まず熱で相手の理性弱ってるとき狙うなよ!?卑怯だろ!!」
必死に騒ぎ立てる俺たちを前にしても、遥風は余裕の態度を崩さない。
クッソ、ムカつくな……。千歳くんはこんな明らかに危ない男のどこを信用してるんだろう。
合宿中とか、遥風に対してだいぶ心開いてたっぽかったけど……絶対に頼る相手間違えすぎてるって。俺の方が絶対もっと幸せにできんのに。
遥風や峰間京はぶっ飛びすぎてて、優しい千歳くんじゃ絶対疲れちゃう。俺はあいつらとは違って千歳くんにスキンシップ迫んないし、ちゃんと健全なステップを踏んでだな……!!
