さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜




「……篤彦くんって千歳前にすると急に精神年齢下がりますよね。そんなキャラでしたっけ?」

「………………」


刺さったらしい。

完全に図星だったのか、何も言い返せず黙り込んだ篤彦くん。無言のままコントローラーを操作し、しれっと貧乏神を俺になすりつけていった。

は??ぜってー八つ当たりだろふざけんなって。

ちょっとイラッとしながらも、さっきの千歳くんの悲劇に比べたらまだマシだと言い聞かせ、俺はなんとか文句を飲み込む。

間違って『図星ですか〜』とか揶揄ってしまったら最後、篤彦くんは俺に嫌がらせカードを使いまくって大人気なく煽ってくる。断言できる。

そう戦略的に考えた賢い俺は、思考をゲームから散らすように話題を切り替えた。


「……そーいえば遥風ってさ、最近千歳くんに避けられまくってたよな。アレなんで?」


さらっと、兼ねてから気になっていた話題を出してみる。

LUCA合宿の後くらいからだろうか、千歳くんの遥風への態度が明らかに変わったのだ。

遥風に話しかけられそうになったら光の速さで逃げるし、スキンシップも許さなくなった。

千歳くんが遥風に話しかけられそうになったら俺に逃げてくるおかげで、千歳くんとたくさん話せるから俺的には役得なんだけどさ……。

と、そんな俺の質問に、遥風が答える前に。

峰間京が、ぐしゃりと髪をかき上げながら──


「こいつ、千歳に手ぇ出したの」


と、さらりと答えてきた。