さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



結局、千歳くんはあの罰ゲームのあと、ずっと部屋に戻ってこなかった。

ポツンと残されたコントローラーは、なぜか篤彦くんがしれっと引き継ぎ、さっきのすごろくゲームは第二ラウンドへ突入中。

──とはいえ、もうカメラは切ってて、今回は完全にオフモード。

ただただヤバい奴らが集まった深夜の悪ノリ男子会だ。

ゲームが始まって10分ほど経ったころ、コントローラーを握る篤彦くんがぼそっとつぶやいた。


「……千歳くん逃げたか」


つまんな、とちょっと口を尖らせる篤彦くんに、いやあんたのせいだろ、と突っ込みたくなる。
そりゃ、公衆の面前であんなふうに罰ゲーム強制されたら、居辛くもなるだろうよ。

篤彦くんの意図もよくわかんないし、遥風も強引すぎるし……いや、そう、今回に関しては遥風マジでふざけんなよって感じ。

あいつ、昔っから距離感バグってんだよな。峰間京と千歳くんの距離の近さ見て焦ったのは分かるけど、だからって千歳くんに負担かけんのは違うだろ。ほんっとに千歳くん可哀想すぎる。

と、内心苛立つ俺の隣で。


「てかお前さ、なんであんな罰ゲームさせたわけ?」


と、俺なんかよりよっぽどイライラしていそうな調子で峰間京が吐き捨てた。

京は、篤彦くんと仲が良い。だから、彼は篤彦くんの千歳いじめの意図を何か知っているのかなって思ってたけど……そうでもないみたいだ。

京の問いに、篤彦はちょっと肩をすくめて答えた。


「え?ふつーに、千歳くんのこと困らせんの快感やから。ざまぁないな」


はははっ、と楽しそうに笑いながら言う篤彦くん。

そんな彼に、ベッドに寝転がってスマホを見ていた陽斗くんがボソリと言った。