さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



分かってる。

分かってる、んだけど。


私がすべてを暴露して、エマプロをぐちゃぐちゃにしてしまったら──



そこに残ったみんなは、どうなる?



──最初は確かに、ただ強引に。

琴乃を守るために仕方なく、オーディション番組に参加させられた。

歌もダンスも大嫌いで、芸能界なんて死んでもごめんだって思ったし、できるものならすぐに逃げ出してやりたい気分だった。


けれど。


一次審査から二次、三次、四次、LUCA合宿と続くにつれて──

気づけば私はあの場所で、あまりにも多くのものをもらっていた。


最初はただただ怖かった参加者たち。

けれど、一緒の時間を過ごしていくうちに、それぞれの弱さや苦しみ、優しさを知って──

背中を預け合える、大切な仲間になっていた。


誰にも必要とされていなかったはずなのに、親にすら愛されない人生だったはずなのに。

心から信じられる人なんて、いなかったはずなのに。


みんなといる時間は、今までにないくらい騒がしくて、安心できて。

まあ、あからさまな執着とか、激しいスキンシップは困るけど……

それでも、冷たいレッスン室に閉じ込められ一人ぼっちで生きてきた時より、ずっと、あたたかい。