ショックで何も言えなくなる私の横で、笑いを堪えきれず肩を震わせる遥風と京、ちょっと気の毒そうな顔をしてくれる栄輔、そして──
「あはははは!!千歳くんザッッッコ!?」
「初手から運悪すぎやろ腹痛った」
微塵も遠慮せずに、ベッドの上で手を叩いて死ぬほど大爆笑する篤彦と陽斗。
しかも、もちろん地獄はそのターンだけで終わらず──
『7億4000万円を失った!』
『カードはすべて吹き飛んだ!』
『1兆円捨てられてしまった!』
『持ち金は マイナス1兆90億28万円!』
「…………帰っていいですか…………」
気づけば意味不明な額の借金を突きつけられていて、流石に泣きそうになる。
こんなに踏んだり蹴ったりなことってある……?
と、頭を抱えてしまう私に──
右隣にいた京が、くすくすと笑いながら慣れた仕草で肩を抱き寄せてきた。
「大丈夫だよ〜。おにーさんが養ってあげるからね」
と、カメラに拾われない程度の小声で揶揄ってくる京。
その言葉に反応して顔を上げるけれど──
グイッ!
次の瞬間、左隣の遥風が、強引に京の腕を私から引き剥がしてた。
「意味なく肩抱くな」
「ごめんごめんつい手癖で。いつもこうだから♡」
「きっしょお前」
バチバチと絶好調すぎる舌戦を繰り広げる二人組に、間に挟まれた私は内心冷や汗ダラダラになる。
カメラの前でそのテンションは本当に勘弁して……。
そして、そんな私の状況を心底楽しむ悪魔二人組──
「ははは千歳の不幸おもろ」
「千歳いじめれるし腐女子からの数字取れるし良いこと尽くしじゃんコスパ良っ」
椎木篤彦、兎内陽斗。
前者は小賢しさ、後者はキャラ被りで私を目の敵にしているだけあり、私の不運は彼らにとって最高級のエンタメになるらしい。
そんな中、たった一人だけ本気で申し訳なさそうな表情で、『ごめんなさい……』とジェスチャーで伝えてくる栄輔。
いや、栄輔は悪くない、むしろ巻き込んでごめん……。
と、むしろこっちがかなりの罪悪感を抱きつつ。
私はぼんやりと天井の一点を見つめたまま、この理不尽なゲームが早く終わってほしいとひたすら願うことしかできなかった。
