ちょっとでも表に出たら大炎上しそうな最悪発言に呆気に取られる私をよそに、続ける遥風。
「ステージは好きだけど、今の俺はそれ以上に千歳が好きだし。裏切りだってファンから失望されて表舞台に立てなくなったって、別にいいよ」
その言葉を聞いて、じわりと胸の奥底から罪悪感が湧き上がる。
これさぁ……私、また完全に遥風の邪魔になってるよね。
ずっと思ってたけど、遥風って、私のことになると、途端に自分の夢を蔑ろにしてしまいがちだ。
遥風が私のことを好いてくれているのは嬉しいけれど──その好意が彼の人生に関わる判断に悪影響を及ぼし始めたら、それはあまりにも本末転倒。
このままじゃマズい、と思った私は、すぐに口を開いた。
「あのね、遥風っ……」
顔を上げ、その続きを言いかけようとしたけれど──
それを強引に遮るように、遥風の手が頬に触れた。
え、と驚いて硬直したのと同時に、彼は身を引く隙すら与えず──
──チュッ。
軽く、唇を重ねてきた。
…………。
……………………え?
あまりに不意打ちすぎるキスに、一瞬何が起こったのか分からなかったけれど──
真っ白だった頭に思考が戻ってくるにつれて、動揺と羞恥心が湧き上がり、頬が勝手に赤くなる。
はっ、な、なんで、何を急に……っ?!
