──22時。
シャワーを浴びて部屋着に着替えた私は、峰間京が部屋に帰ってこないうちに自室から脱走し、誰もいない静かなラウンジに来ていた。
鉛のようにずしりと重い身体をソファに沈ませながら、宙を見つめてぼうっとする。
本当は自室でクールダウンするのが一番良かったんだけど、京と密室で二人きりになってしまうと色々と危険なのだ。
というのも、合宿から帰ってきた後、京の私に対する態度は明らかに変わっていて。
今までは同じ部屋にいてもそんなに強引に迫ってくることは無かったのに、その後は隙あらばキスしたり、ベッドに引き摺り込んでこようとしてくるようになった。
『一緒に寝てくれないと死ぬよ』とか笑顔で言い出して、彼が言うと全く冗談に聞こえず、断れなくて。
こちらもこのままじゃやばいということで、三次で同じグループだった明頼と雪斗に相談したら、彼らが毎晩私たちの部屋に来て二人きりになるのを防いでくれるようになった。
だから今までは良かったんだけど──今日は本番前日。
明頼も雪斗もちゃんと寝なきゃいけないのに、迷惑をかけるわけにはいかない。
そんな思考のもと、今日は京が寝るまではラウンジで時間を潰すことにしようと決めていた。
