──えー、と。
…………やらかした?
翌朝、目を覚ました私の脳内に最初に浮かんだ感想は、それだった。
隣に遥風は寝ていなかった。服もちゃんと着ている。いわゆる完璧な『朝チュン』のような状態では無かったけれど。
ベッドシーツに微かに残る遥風の残り香、気怠い身体、そしてかろうじて脳内に残る記憶の断片が──
『さっきまで隣にいました』と鮮明に語っている。
…………。
何を、どこまで…………??
熱と疲労のせいで記憶が曖昧で、具体的なことはよく思い出せないけれど。
なんか、だいぶ……色々と間違えてしまった気がする。
「…………はぁー…………」
今までの人生で一番深いレベルのため息を吐き出して、前髪をぐしゃりとかき上げた。
何やってんだ私……。
いくら遥風に心を許せるからといって、これは色々な面でマズいでしょ。
流石に一線を越えてはいない(と信じたい)けれど、昨晩ベッドで割とガチめにいちゃついたのは事実であって、周囲から見たら誤解まっしぐら、即アウトの状況。
最低限の距離感は保っておこうって、ちゃんと分かってたはずなのに。
熱があったからとか、疲れてたからとか……冷静になって考えてみれば、全部言い訳にしか聞こえない。
それに加えて──
私自身が、あの場で遥風を拒めないくらいに彼に依存しているっていうのが、何よりも一番マズいと思う。
一体、これからどんな顔をして遥風に会えっていうんだろう。今まで通り友達で通せるのか?それとも、もうここまできたら付き合うしかないのかな……。
……。
…………いや、一旦あんまり考えすぎるのはやめよう。
変に意識したら、きっとさらに面倒なことになる。一旦思考をシャットアウトして落ち着くしかない。やらかしてしまったことは、もう戻らないのだから。
