さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



……いや、うん。

そりゃ、嫌だったよ。

遥風の心が壊れちゃったんだって思ったし、私はそれに責任を感じてたし……。

それ以上でも、それ以下でもない。


……そこで、いつもならスイッチを切るみたいに感情を遮断できたはずなのに。


今日は、熱っぽいせいか、身体の奥が妙にふわふわとして。

脳が──止まってくれなかった。


……いや、違うよね。

本当はきっと、それだけじゃない。


私は、遥風が他の女の人とキスしてるのを見た時──

遥風が自分にだけ心を開いてくれてるのでは無いと知って。

私が、彼にとって特別な存在じゃないんだと突きつけられて。


『嫌』だった。


遥風の隣に立つのは、

遥風に手を差し伸べるのは、

遥風の特別でいるのは──

私だけでありたかった。


それって、まるで。

私が遥風のことを、恋愛的に『好き』みたいな──


そんな思考がよぎった瞬間、脳に熱がぶわっと上がって、心臓がぐしゃりと握りつぶされる。


…………あ。

や、ばい。

なんか……これ以上考えたら、危ない気がする。