さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜


偉そうに腕を組んだまま、ジッと私を見下ろしている。

逆光でその表情は、よく見えないけれど──


「Tell me—what exactly were you on?(言えよ──何の薬をキメた?)」


その怒りを押し殺したような低い声音が、全てを物語っていた。


私なんかにステージを掌握されたことが、我慢ならない。

なんとかして否定をしないと、自分を保てない──。

そんな彼のプライドと弱さが垣間見える言葉。


……彼の気持ちが、分からないわけではない。

けれど、努力の結果をドーピングで一蹴されたことにイラッと来てしまって、私はキレ気味で吐き捨てた。


「…Drugs don’t work on robot.(……機械に薬は効かないんじゃ?)」


苛立ちをぶつけるみたいに睨み上げると、ぴく、と片頬を歪めるローガン。

その反応に、ちょっと清々する。


──昨日散々煽られたこと、こっちはちゃんと根に持ってるからね。

昨日は萎縮したせいで散々サンドバッグにされていたけれど、今日はこちらも黙っているつもりはない。


「How does it feel to lose to a soulless machine?(どうですか、ソウルの無い機械に負けた気分は)」


少し眉を上げ、挑発するように軽く笑ってみせると。

目の前のローガンは、横を向いてハッと吐き捨てるように笑って、しゃがみ込み──


グイッ!!


乱雑にこちらの顎を掴み、無理矢理顔を上げさせてきた。


「っ……!!」


至近距離、現実離れした彫刻のように華やかな顔立ち、長い睫毛の下で光る琥珀色の瞳。

甘く濃密な香水の香りと、その鍛え抜かれた体躯を前に、思わずうっと息が詰まる。