さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜


そうしたまま、数分ほど経った頃だろうか。

熱狂が尾を引く会場を裂くように──


「Results will be announced shortly. Please direct your attention to the monitor.(まもなく結果が発表されます。モニターをご覧ください)」


無機質なトーンのアナウンスが、大きく響き渡った。


途端。

観客席を支配していたどよめきが、水を打ったように静まり返る。

同時に、私も膝に埋めていた顔をゆっくりと上げた。


──結果が、出る。


そのことが実感を持って脳に染み込んだ途端。

ドクン、と心臓が大きな音を立てて跳ね上がる。


空気を読まずにガンガンと脳内を殴り続ける痛みに内心舌打ちしつつ、私は舞台袖から見える簡易モニターに目を向けた。

静寂の中で、自分の鼓動の音だけが、やけにうるさく聞こえる。


色々な事項を考慮しても、勝率は絶望的に低い。

頭では、分かっている。



けれど──

負けられない。

負けるわけには、いかないのだ。


遥風の呪縛を解くために。

栄輔のトラウマを払拭するために。


私は──

死んでも勝たないといけない。