『I was made to follow lines
To dance, to shine, to blur the signs
(僕は線に沿って生きるよう作られた
踊るため、輝くため、境界を曖昧にするため)』
口ずさむのは、ラスサビ前のCメロパート。
音数が一気に減り静かになったトラックの中──
イントロから続いた四つ打ちキックが心臓の鼓動のようにやけに際立つ。
『But you rewrote my design
(でも君が 僕の設計図を書き換えたんだ)』
その歌声には、先ほどまでの機械感は一切無く、か細く、揺らぐ感情が痛いほどに滲んでいた。
こんなにも心打たれるのは、やはり表現の『段階』を踏む作戦のせいだろうか。
もちろん、それもあるだろう。
それもあるだろうが──
それだけ?
俺の直感がざわざわと騒ぐ。
先ほどから、ずっと思っていた。
やけに──似ている。
その横顔が。
その表情作りが。
その歌声への感情の滲ませ方が。
完璧に計算し尽くされた一糸乱れぬ『表現』の方法が──
どうしようもなく、彼を思わせるのだ。
伝説のアイドル、『黒羽仙李』を。
