完全にパニックに陥る私に向かって、更なる追い討ちが飛んでくる。
「Ours is Ewan, Jax, and me.(俺らはユアン、ジャックス、からの俺だ)」
……え。
それって、つまり……
私の対戦相手は、向こう側のエース──
ローガン・ヒューズだってこと?
一気に目の前が真っ暗になって、呼吸が浅くなる。
私は完全なる捨て駒、ってことなんだろうか。
いや、そうとしか考えられない。だって、そうでないとわざわざこんな出順を静琉が選ぶわけがない。
考えれば考えるほど絶望的で、背に冷や汗が滲み、心臓が嫌に加速していった。
「That means we only get better with each act.(つまり、俺らのチームはどんどん上手くなるってことだな)」
「And you guys? You’re starting with your best. It’s all downhill from there.(で、そっちは……最初がピークであとは下り坂)」
「…Say it one more time.(……もう一回言ってみろよ)」
彼らの挑発に耐えかねた様子で、ガタッと椅子から立ち上がりかける遥風。
そんな遥風の肩を、隣の翔が「やめろって」と慌てたように押さえた。
止まらない、アメリカチームからの煽り。
「So unless these two carry hard, you’re screwed.(翔と栄輔がガチで頑張んなきゃ、お前のとこ負け確だな)」
ローガンのその一言に、視界が一瞬にしてぐにゃりと歪んだ。
……ああ。
そっか……。
そうだよね。
私の存在は、明日の勝敗にさして関係ない。
翔と栄輔がどれだけ頑張れるか。それが勝敗を分ける鍵で。
私は完全なる捨て駒、負けることが確定しているんだ。
──ほんと、何のためにここに来たんだっけな。
心がずしりと沈んで、もう顔を上げるのさえ億劫。
遠ざかっていくざわめきの中、私は──
視界が滲むのをなんとか堪えるのに、必死だった。
