「Anyway, I don’t give a damn about all that. What I do care about is you. You’re seriously gorgeous.(ま、俺はそんなことどうでもいいけどな。それより俺が本当に興味あるのはお前だ。マジで可愛いよ)」
ジャックスは私の椅子の背に手をかけ、至近距離でジッと私を見つめてくる。
周囲を憚らない大胆でストレートな口説きに、私は少し動揺して言葉に詰まってしまった。
顔が強い人って、たとえ100%下心しか無かったとしてもなんか様になるのがずるいと思う……。
目の前の彼は、まるで私が答えを返せなくなるのが快感だとでも言うように目を細め、グイッと私の肩を抱き寄せた。
そしてそのまま、心底不機嫌そうな表情をした遥風を挑発するように見下ろす。
「Yo, Knight-boy. If we win, mind lending me your little princess for the night? You know… for the thrill of it.(よぉ、騎士様。もしバトルでこっちが勝ったら、このお姫様を俺に一晩貸してよ。その方が燃えるだろ)」
「Die.(死ね)」
物騒に返す遥風。けれどジャックスは微塵も怖気付いた様子無く、なんなら心底愉快そうにHAHAHAと笑っている。その腕は私の肩から離す気配は無い。
すっごいヘラヘラしてるなぁ……。出会った当初の峰間京を彷彿とさせる──けれど、彼よりもさらに軽いというか、ノリ重視だ。悪い記憶とか秒で忘れてそう、闇とか微塵も抱えてなさそうなガチ陽キャ。
多分私に対してもグイグイ来てるのは今だけで、ワンナイトしたらすぐ興味無くすんだろうな。
──なんて、そんなふうに色々と思考を巡らせている私の斜め前。
たった一人、全くその場に着いていけていない人物がいた。
栄輔だ。
英語が分からない彼は、私たちの間で起こっていたピリついたやり取りをしばらく傍観していたのだけれど──流石に疎外感を感じ始めたのだろう。
持ち前のフレンドリーさを発揮して、同じく誰とも話していない少年、ユアンに話しかけ始めた。
