ジャックスとユアンは、今日の彼らのパフォーマンスを見る限り、とんでもない実力者。
与えられた才能が桁違いで、まともに戦って私が勝てるような相手ではない。
そして何より、一番怖いのは──
ローガン。
化け物級の才能を持つジャックスとユアンを差し置いて、CEO・ルシアンのお気に入りになっているし──
何より彼は、あの天鷲翔の唯一のライバルだ。きっと化け物レベルの才能を持っているに違いない。
こんなの、絶対に無理じゃん……。
ここに来る前に固めて来たはずの覚悟を一瞬にして崩してくるような、大きな絶望。
何も言えずに硬直する私には一瞥もくれず、ローガンは天鷲翔に向けてふっと不敵な笑みを浮かべた。
「Or what, you just don’t feel like battling ‘cause you already know how it’ll end?(それとも、もう結果は分かりきってるから、バトルなんかしたくないか?)」
……相変わらずとんでもない不遜さだな。
普通の人だったら気圧されてしまうような天鷲翔の威圧感を前にしても、全くもって余裕を崩さないその態度から、彼がどれだけの大物なのかが察せてしまう。
──にしても、ローガンは何故こんなにも翔に敵対意識を持っているんだろう。
二人は年齢も近そうだし、LUCAでのトレイニー時代はおそらく一緒に過ごして来たはず。類稀なる才能を持つもの同士、お互いの悩みを理解し合ったりできるから仲良くなってもおかしくないのに。
加えて、彼がこのバトルに対して妙に乗り気なのも気になる。
今回のバトル、私たちは遥風の日本残留が懸かっているから本気だけれど、よく考えれば向こう側にはメリットらしいメリットは無いはずなのに。
それほど、翔を打ち負かしたいという気持ちが強いってことなのかな……。
と、そんなふうに思考を巡らせる私に。
不意に、ドサッと隣のジャックスが体重を預けてきた。
距離の近さに驚いて硬直する私に構わず、彼はローガンを指差しながらクスクスと揶揄うように笑う。
