さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜


そんなどうでもいい思考を巡らせていた、その時。

彼らの背後から、さらに意外な人物がノロノロと歩いてきた。


シルバーの髪に、眠そうなブルーグレーの瞳──

件の問題児天才ボーカリスト、ユアン君だった。


「Yo, Ewan! You only got brown food on your tray!(おいおいユアン〜!茶色の食べ物しか取ってねぇじゃんか!)」

「Look at that plate! It’s all empty space, man. You need more!(見ろ、余白が多すぎるぜ!もっと食え!)」

「Shut the hell up, you protein-obsessed gorillas!!(うるせぇなプロテイン中毒ゴリラども!!)」


ローガンとジャックスに乱暴に絡まれるユアン君を見て、ちょっと呆気に取られる。

いやいやいや……最初の二人は分かるけど、彼は絶対波長合わないでしょ。

実際、今もめちゃくちゃうざったそうだし。


どういう組み合わせ……?と戸惑っているうちに、ローガンたちは何故かそのまま、さも当然かのように私たちと同じテーブルに腰を下ろしてきた。


「…Yo, seriously? You guys planning to sit with us?(……おい、お前らここで食べるつもり?)」


流石にギョッとして顔を引き攣らせる翔に対し、彼らは微塵も遠慮なんてしていない様子。

それどころか、ローガンに至っては背もたれに体重を預け、至極尊大な態度で挑発するように翔を見やった。


「We’re all going head-to-head tomorrow, yeah? Might as well bond a little before the battle.(俺ら全員、明日バトルする仲だろ?だったらその前にちょっとは親睦深めといたほうが良いんじゃね?)」


そんな彼の言葉に、私は思わずちょっと目を見開く。

全員、明日バトルする……ってことは、つまり。

私たちの明日の対戦相手は、ナンパ男のジャックス、天才問題児のユアン、そしてこの傲慢不遜なローガンの三人だってことだ。