確かに今日は、上っ面の笑みを貼り付ける余裕なんて本当に皆無で、ただただ周囲のレベルに追いつかなきゃと必死になることしかできなかったけれど。
だからと言って、感情を周囲に筒抜けにしてしまうのはマズい。今すぐどうにかしないと……!!
と、完全に動揺しまったのも、周囲には丸わかりみたいで。
「あ〜、焦ってる焦ってる。可愛い〜……」
頬杖をついたまま、まるでペットを愛でるように目を細めて言ってくる栄輔。
まさか、彼にまでこんなふうに揶揄われる日が来るとは思ってなかった……。
動揺と羞恥心と悔しさとがごちゃ混ぜになり、慌てて表情を隠すように目を伏せた──その時。
「黙れ」
ベシッ!
遥風が、かなり本気で栄輔の頭をぶっ叩いた。
「痛っ?!」と声を上げ、涙目で頭を抑えうずくまる栄輔。
抗議するような表情の栄輔に、遥風はこれ以上ないほどに冷たい視線を突き刺す。
「妙に甘い声出してんじゃねぇよ」
「はぁ?なんなんだよ、さっきからっ……」
バチバチッ、と再び散る火花。
冨上栄輔、煽られ慣れてるとか言ってたけど、普通にすぐカッとなってる気がするのは気のせいだろうか。考えてみれば、前に天鷲翔に平手打ちをかました前科もあるし、信用できない気が……。
と、またもや修羅場勃発寸前となっていた──その時だった。
