と、完全に意気消沈していた、その時──
「はい、これ千歳くんの分」
不意に、目の前に色とりどりの料理が盛られたプレートが差し出された。
……え?
思わず顔を上げると、そこに立っていたのは栄輔。
さっきからずっと一人でめちゃくちゃ料理を取りまくっていたのは──
どうやら、私のためだったらしい。
「なんで……」
「だって今の状態の千歳くん、サラダだけちょっと食ってすぐ帰りそうだから」
……う、なんでバレてるの。
思わず図星な反応をしてしまう私に、「ほら〜」と咎めるように大きなため息を吐く栄輔。
「成長期の男子なんだから、これくらいは食べないとダメですよ」
「あ、ありがと……」
受け取ったプレートは、ロースト野菜やグリルチキン、サラダやスープで隙間なく埋まっていた。
成長期の男子……だったら、確かにこれくらいが妥当なんだろうけど。
生憎、私は『男子』ではない。
盛ってもらったのはすごくありがたいけれど、果たしてこんなに食べれるのかな……。
栄輔の優しさに感謝しつつも、ちょっと困った顔をしていると。
不意に横からトングが伸びてきて──
さっと迷いのない様子で私のプレートから料理をさらっていった。
ハッとして顔を上げると、犯人は遥風。
野菜系は多めに残して、ボリュームのある肉料理なんかを多めに取って──
私にとって完全にちょうどいいバランスになったところで、トングをカツンとプレートに置く。
「こんなもんだろ」
あまりにあっさりと私にとって最適な量を当ててきた遥風に、目を丸くしてしまう。
なんでこんなに丁度いい量取れるんだろう──と思考を巡らせて、数秒後、思い当たった。
そういえば、私と遥風って二次審査の時いつも一緒にご飯食べてたっけ。
遥風はそれを見ていたから、私の好みや食べる量なんかを大体把握してるってことなんだろう。
……って、なかなかすごい観察眼だけど。
