……こんなの、無理だ。
今まで私は、遥風たちと同じグループで練習していることに、あまり疑問を感じていなかった。
劣っているとはいえ、隣に立てるだけの技量は、あるんじゃないかと思っていた。
けれど──
こうしてハイレベルな環境に追い込まれて、一瞬にして浮き彫りになる、私と彼らのスキルの差。
それは、幼い頃に母親によってレベルの合わないダンススタジオに通わされていた時のトラウマを呼び起こし──
私の足をさらにすくませた。
『型』をなぞることしかできないのは、私にとってコンプレックスで。
けれど、同時に、私の実力を最低限保証してくれるものでもあった。
なのに──今の私は、それさえできなくなっている。
幼い頃から全ての時間を費やしてまで磨いてきたはずの武器が、使い物にならないのなら。
私は、一体何のためにここにいるんだろう。
そうして、全く思うように身体が動かないまま──
曲が、終わる。
…………なんだ、これ。
ろくに動いてないから、息なんて上がっていないにも関わらず、胸の奥が酷く苦しかった。
鏡に映る自分の姿を見たくないという、久々の感覚。
周囲が当たり前にやっていることができないという劣等感を、数年ぶりに、間近に押し付けられていた。
思わず、鏡の中の自分から目を逸らすように視線を落とした──
その時。
