おかげで私は今、色々な分野でのスキルを身につけられたわけだけど──
そのいずれも、誇りに思うことはできなかった。
自分で選んだ努力じゃないから、胸なんて張れない。
それを褒められたとしても、それは『私』じゃなくて、『母が作った私』だから。
そんな昔のことを思い出し、ちょっと鬱々とした気分になっていた──その時。
「Enough with the mother-tongue chit-chat. We’re here.(母国語でのおしゃべりは終わりだ。着いたぞ)」
不意に響いたローガンの言葉に、思考が中断されて。
慌てて視線を上げると同時に、目的のスタジオの扉が自動で開く。
──と、次の瞬間。
肌に突き刺さる爆音のビートが、肌を震わせた。
床を鳴らす足音が、まるで軍隊のように、寸分の狂いもなく重なり合う。
──目を疑うくらいに完璧な、脅威のシンクロダンス。
目の前に広がったその圧倒的な光景に、私は息を呑んだまま動けなくなった。
誰一人、一瞬として手を抜かず。
誰一人、こちらに気づく余裕なんて持たずに。
何十人もの精鋭ダンサーたちが──
まるでひとつの生き物みたいに踊っている。
「っ……」
……や、っばいかも、これ。
レベルが……違いすぎる。
もしエマプロにいたら、おそらく全員がファイナリストに食い込めるであろうレベルの実力の持ち主たち。
そんな人材が、ここには有り余るほどいるのだ。
背中に冷や汗が滲んで、喉が渇く。
圧倒され、ぐちゃぐちゃになった思考の中、ひとつだけ言えることといえば。
私がこの中に入ったら──
多分、一番下手だってことくらい。
