彼のこの行動も──きっと下心なんかじゃなくて、見下しなんだと思う。
だって、その瞳には甘さは全く滲んでいなくて、むしろこちらの価値を測るような冷たさがある。
私が男だと知っていて、その尊厳を傷つけてやろうとこんなことをしてくるんだ。
ほんっと、苦手すぎる、こういうタイプ……。
と、ちょっと内心でため息を吐いていたそのとき。
「Hey. Don't mess with Chitose too much. It's just gonna cause trouble.(おい、あんまり千歳に絡むのはやめてくれよ。面倒になるから)」
翔が、呆れのため息混じりにローガンを咎めた。
……と、そんな彼の横では、心底不機嫌そうな遥風がポケットに手を突っ込んだままローガンを睨みつけていた。
その視線の冷たさに、流石のローガンも何かヤバそうなことに気がついたのか、無言でスッと私から手を離す。
「…You're not straight?(お前ってゲイなの?)」
「Think what you want.(好きに思えば)」
絶対零度の遥風の声音に、苦笑混じりに肩をすくめるローガン。
余裕ぶってるように見えるけど、その瞳の奥に浮かぶちょっと気圧されたような色が隠しきれていなかった。
視線で人を殺せそうって、遥風のためにあるような言葉だな。私もその能力欲しい。変な人追い払うのに何かと便利そう……。
と、少し呆れ半分でその光景を眺めていた、そのとき。
