さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜


静琉も同じことを考えていたようで、しばらく何も言わずに目を伏せていた。

そして。


「Anyway, how about we get to the point and talk about tomorrow?(……それはさておき、そろそろ明日のことについて打ち合わせを始めないか?)」


話題を切り替えるように、そう提案する。

静琉の言葉に、ルシアンもようやく雑談に時間を使いすぎていることに気がついたようで。


それもそうだ、と言うように軽く頷くと、くるりと私たちを振り返った。


「From here on, it's time for the adults to talk. You kids from Japan, follow Logan and get a taste of real LUCA training.(というわけで、ここからは大人の話だ。日本から来た君たちは、ローガンについて行って、本物のLUCAのトレーニングを体験してきなさい)」


そんなやり取りを前に、ローガンは『待ってました』とばかりに口角を上げると、私たちの前でわざとらしく手を打ち鳴らした。


「Alright, follow me, gentlemen. Time to see what the real deal looks like.(さぁ諸君、ついてきてくれ。本物の世界ってやつを見せてやるよ)」


挑発的にそう言い放つローガンの姿に、思わず喉がこくりと鳴った。

ああ、ついに始まるんだ。


正直……すごく怖い。


私の実力がどの程度通用するのか、足手纏いにならないか。

そんな不安ばかりが湧いてきて、足がすくみそう。


けれど──

今回背負っているのは、自分だけの問題じゃない。


遥風の未来が懸かった、絶対に失敗できない舞台だ。


怖気付いていないで、頑張るしかない。

私は震える気持ちを深呼吸で押し込め──

気合を入れ直すみたいに、視線を上げるのだった。