さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜


すると、隣の遥風が、それを私の怯えと捉えたのか──

話題を切り替えるように、すぐさま口を開いた。


「Come on, save it for somewhere else.(なぁ、そういうのは他所でやれよ)」


その声に、今にも勃発しそうだった修羅場が一時中断され、ローガンの視線がゆったりと遥風にスライドされた。

そして、じっ……と数秒、品定めするような視線を向けた後。

すぐに余裕のある微笑を浮かべ、遥風の方に歩み寄ってくるローガン。


「Ah… so you're the one they said was coming over.(あぁ……もしかしてキミか?こっちに移籍してくるってのは)」


少し挑発混じりのような口調で言ってくるローガンに、遥風は少しも怯まず睨み返す。


「It’s not set in stone yet.(まだ確定じゃない)」

「…Let’s be real. You really think you can beat us?(……現実見ろって。お前らが俺たちに勝てるとでも思ってんの?)」

「Oh, sure.(ああ、もちろん)」


ああ、結局今度はこっち側で火花が散り始めた……。

このローガンって人、出会ってまだ数分も経ってないにも関わらず、所構わず発砲してどんどん敵を作りまくってる。修羅場メーカーかよ……。

……って、私も日本では同じような立ち回りばっかしてるし、人のこと言えないけど。


と、呆れ半分でその様子を見ていたその時。


「He talks big, but what about you, princess?(彼は大口叩いてるみたいだけど……キミはどう思う、プリンセス?)」


そんな言葉と共に、不意にローガンの視線がこちらに向いた。