さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「Real-life Lucian Crawford is insane!!(生のルシアン・クロフォードヤバすぎ!!)」

「Rogan!!! My Insta’s right here! Hit me up, I’ll treat you real nice!(ローガン!!これ私のインスタ!!追加して!!良い思いさせてあげるからっ!!)」


パシャパシャとこちらを連写する子、友達の腕にしがみついて足をバタつかせる子、インスタのQRを表示して窓ガラスに押し付けてくる子など、その騒ぎ方は三者三様。


すごいな、カリフォルニアガールたちのぶっ飛んだ熱量……。


と、ちょっとドン引き気味の私たち日本人とは違い、騒がれている当の本人たちは大して気にした様子もない。


ルシアン・クロフォードは至極冷静に真顔を保ち、もう一人の『ローガン・ヒューズ』に至っては──

余裕の笑みで、ひらりと手を振ってみせた。


「AAAAAAHHHH!!!」


そのたった一度のファンサで、さらなる混乱に陥る女の子たち。

あーあーあー、火に油を……。


「…That’s why.(……というわけだ)」


窓の外から視線を外し、さらりと肩をすくめるルシアン。


……取り囲まれてたってことか。

きっと、このローガン・ヒューズっていう色男がやたらとファンサするから、収拾がつかなくなってたとかそんなとこだろう。


っていうか、彼と同じレベルで女の子たちに崇拝されてるCEOって何?
もうプロデュースとかやめて自分がデビューしたほうがいいんじゃ……?