背後から、ポン、と頭に手を乗せられる感覚。
──遥風だ。
驚いて硬直する私の代わりに、彼は挑発するような視線で栄輔を見下ろして──
「俺の」
とだけ、バッサリと言い放った。
うわ出た、仲良しマウント……。
ちょっと顔を引き攣らせる私を挟んで、遥風と栄輔の間でバチッと散る火花。
栄輔は遥風を助けようとしてくれてるんだから、もうちょっと優しく接した方がいいって……!
と、内心めちゃくちゃ焦りながら、今にも勃発しそうな修羅場を遮るように私は慌てて話題を変える。
「……ところで、LUCA側の人間は?」
先ほどから、疑問に思っていた。応接室に通されたはいいものの、ここには私たち以外誰もいない。
一般的に、応接室には迎える側が先にいて、訪問者を通すのが常識だと思うんだけど……。
と、そんな私の疑問に答えたのは、ソファに腰掛けていた巫静琉だった。
「……遅れるって連絡があった。まあ理由は大体想像つくけどな」
スマホの画面に視線を落としながら、呆れたようにそんなことを呟く静琉。
私の中で、エンタメ界の天才は変な人ばかりだという印象があるけれど、果たして今回はどんな人が来るんだろう……。
──と、そんなことを考えていたちょうどその時だった。
バンッ!!
大きな音を立てて、応接室の扉が勢いよく開いた。
……来たか。
そう思って視線を向けるのと同時に──
あまりの印象の鮮烈さに、言葉を失った。
