へえ、歯並び綺麗だし白い……外国人の美形って、なんでみんな揃いも揃ってこんなに歯が綺麗なんだろう。
あと、近くで見ると思ったより数倍がっつりタトゥーが入ってる。こんなの日本じゃなかなか見ないから新鮮だなぁ……。
……。
……って、感心してる場合じゃなくて。
この人……さっきから、完全に私を女だと信じて疑ってなくない??
なんかいつの間にかレズ扱いされてるし。
本人に悪気はないのは分かる。分かるけど……もし本当に相手がレズだったとしたら、その発言は流石にノンデリでは?
内心ちょっと呆れつつ、私はなんとか角が立たないように距離を取ろうとした。
「…Sorry, but I’m a guy. You’re a little too close.(悪いけど、俺、男だから。ちょっと近すぎるかな)」
目の前の彼は、一瞬「ん?」というような表情の後、すぐにおどけた顔に戻って。
「A boy? Nah, no way. You messin’ with me, right?(男?いや、ないない。冗談キメてんの?)」
と、全然信じてくれなかった。
んん、まあそりゃそうか……だって、アメリカにここまで細っこい男なんてなかなかいないもんね。
……って、じゃあどうやってこの状況を抜け出せば。
めちゃくちゃ焦りつつ、なんとか助けを求めようと、ステージ上のヤンチャなお仲間たちに視線を投げるけれど──
どうやらこういう状況は日常茶飯事らしく。
マイクを通して「You takin’ her home or what?(お持ち帰りか?)」 「Pass her over when you’re done!(済んだらこっちにも回せよ!)」とか茶化してくる始末。
ステージ上の人たちにも完全に女扱いされてるし……どうしたらいいの、これ。
と、内心で頭を抱えていた──その時だった。
