すると、曲がり角の向こうに広がっていたのは──
開けた広場のような場所。
広場、と言ってもそこまで広くなく、小さなライブハウスくらいの規模感だけど。
そんな中、一角に簡易ステージができていて、囲むように人だかりができ、その様子を多方面からカメラが捉えていた。
簡易ステージ上では、どうやらサイファーが行われているみたいで。
そして、その中心に立ち、今マイクを握っているのは──
「Y’all ready for this?!」
「YEAHHHHHHH!!!!!」
息が止まるくらいの強烈なカリスマオーラを持つ、明るい茶髪の外国人の少年だった。
マイクをギャラリーに掲げ、その気絶寸前のような大きな歓声を聞いて満足そうにニッと片口角を上げている。
白い肌に、彫刻のように整った骨格。細身ながらしっかりと筋肉のついた体つき、身体のところどころに入った派手なタトゥー。
THE・アメリカの一軍男子という形容がこれほどしっくり来る人は居ないだろうな、って感じ。
そんな彼は、今──派手なアウターを翻し、バチバチにキマッたライムを吐きながら、最高に治安の悪いリリックを並べてギャラリーをぶち上げている。
