「二人目の審査員の紹介です。EMERGENCE PROJECT SEASON1から番組に携わり、業界の未来を見据える振付師、鼓朱那」
瞬間、再び会場が沸き立った。
壇上へ姿を現したのは、肩までのボブヘアを、大胆にレッドカラーに染めた童顔の女性。
軽快な足取りでステージ中央に進み、マイクを受け取ると、明るく弾む声で言った。
「はい、鼓朱那です!って、多分みんな知ってるよね?1期からダンス指導を担当してきました〜」
朗らかで、親しみやすい口調。
彼女の言う通り、昔からエマプロを追っていた参加者たちには馴染みの深い顔だろう。
私も、この3日間でエマプロの1期と2期をザッと確認したので、彼女のことは知っていた。
エマ所属アーティストの振付師として、数々のヒットソングの振付に携わってきた彼女。確か、私が踊る『Sugar⭐︎Dream』も彼女の振りだった気がする。
さらに彼女は、ダンスインストラクターとしても優秀だという。その指導を受けた者の中には、トップアイドルとなった者も少なくない。
「私の指導はキツいです!けど、頑張ってついてきてくれれば、凛也みたいになれます。耐えてください」
そう言って、親指で凛也を指し示す朱那。
凛也はちょっと苦笑し「マジでトラウマっす」と冗談めかして言う。
というか、1期から指導してきたってことは、朱那さんはかなり年を重ねているはずだけど……どう見ても、20代にしか見えない。
童顔のせいか、それとも持ち前のエネルギッシュさゆえか。
「んで、今回のオーディションにも、私が10年間直々に指導してきたダンサーがいますけれども!」
その言葉とともに、モニターに映し出されたのは──新海飛龍。
ステージに向かって人懐こく手を振る姿は、天真爛漫で愛嬌がある。
確か、彼はストリートダンサーだったはず。
改めて見ると、赤系統の髪色、そして明るい性格。
朱那と飛龍は、確かに師弟らしい共通点があった。
「まあ、みんな公平に、厳しく見ます!よろしくお願いしまーす」
そう締めくくり、朱那はぴょこんと頭を下げると、壇上を軽やかに後にした。
