「……お前さ。自分に最強のパトロンがついてるって忘れてない?」
「え?」
その言葉に顔を上げると、京はクイッと自分の顔を指し示した。
「お・れ」
ぽかんとする私に向け、ふっと自信ありげに笑いかけてくる。
「どうしたら恋愛で勝てるか、全部知ってる。ってわけで、俺がバックについてれば、お前が負けることはまずないね」
……初めて、峰間京に頼もしさを感じたかもしれない。
思えば、多分鷹城葵と同じくらいには、恋愛経験値がありそうな彼。
確かに、彼に異性を転がす方法を学べば、もしかしたら私でも鷹城葵に太刀打ちできるかもしれない。
希望が見えたことで、一気に闘志が湧いてきた。
もともと、鷹城葵の有り得ないくらい女の子をナメてる態度が気に入らなかった。
こうなったら、本気で京から恋愛テクを学んで、依存させて、ギャフンと言わせてやりたい。
「……やる気出た?」
「うん。このままバカにされっぱなしは嫌だから、頑張ろうと思う」
意気込んでそう答えると、京の口元がゆるんだ。
どこか面白がるような、それでいて少しだけ優しい笑み。
「そっかそっか、じゃまず実演から始めますか」
「……実演?」
その言葉に、どうも嫌な予感。
思わず聞き返した、次の瞬間。
ぐいっ。
腕を引っ張られて、そのままベッドへ引き摺り込まれた。
