さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜


そして、その不安は数日後、完全に現実となった。

──練習、来ない。

鷹城葵は初日から1週間連続で、スケジュール通りにスタジオに現れることはなかった。

「他の仕事あって」
「スタジオ間違えてた」
「ねてた」

どんどん雑になっていく言い訳。完全にナメられている。

たまに気まぐれでスタジオに姿を見せたとしても、遅刻してくる上に、椅子に寝転がってスマホをいじるだけ。

他のメンバーが黙々とフォーメーションを確認している横で、

「あー……その動き好きじゃない」
「そのパート、別の人やれば」
「てかさ、構成変えよ。いちから」

いちいちちゃぶ台をひっくり返すような発言を繰り返す。

「……なんなんですかぁ???」
「明頼、やめろボケ……!」

いつものように、明頼のブレーキ係を担う雪斗。毎日毎日本当に申し訳ない。

そろそろ流石に、このチームワークを修復しないと……。

このままじゃ、全員が沈む。葵がこんな調子なら、誰か他の人が動くしかない。

と、そのとき。

コン、コン。

スタジオのドアをノックする音が響いた。