「今回の審査は、彼ら──『JACKPOT』の4人をゲストに迎えて行います」
あまりに現実味が無さすぎて、硬直することしかできない。
淡々と説明を続ける静琉。
「その名も、『コラボレーション審査』。つまり──『JACKPOT』メンバーとの、共演パフォーマンスをしていただきます」
思わず、息を呑んだ。会場を大きなざわめきが駆け巡る。
特別な審査員として参加するとか、そういうことだろうと思っていたのに。
まさに、前代未聞だ。
「16名の参加者を4グループに分け、そこに『JACKPOT』のメンバーが1名ずつ加わります。プロと共に、5人チームで1つのパフォーマンスを完成させることが、今回のミッションです」
参加者の反応はさまざまだった。
夢の共演に、手放しで喜ぶ者もいれば、懸念を浮かべ考え込むような者もいる。
私は、どちらかといえば後者だった。
だって、この審査は危険だ。
プロとの圧倒的な実力差、経験差を前に、自分たちの存在が霞んでしまう可能性が大きい。
「この審査では、トップアイドルである彼らと同じ環境で練習することで、参加者全体の能力の底上げを図ります。皆さんがどれだけ彼らから技術を吸収し、成長して、食らいついていけるか──期待をしています」
『黄金のシーズン』と呼ばれた2期で、常にトップ層に君臨し続け、デビューを果たした『JACKPOT』。
そんな彼らをわざわざ引っ張り出してくるあたり、制作側の三次審査への熱の入れようが伝わってくる。
きっと、この審査で見られるのは単なるパフォーマンスの完成度だけじゃない。
コネクションがものを言う芸能界で、大物先輩に気に入られることのできるコミュニケーション能力があるかどうか。
芸能界の最前線で活躍する彼らから、本物の技術を間近で学び、吸収できるかどうか。
そして、ただ圧倒されるだけでなく、その光の中で自らも輝きを放てるのかどうか。
その全てを、一度に測ってくるつもりだろう。
