さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜




「…………っ」



考えれば考えるほど、喉の奥が焼けるように熱くなって、視界がじわりと熱くぼやけた。



なんで、ちゃんと上手くできないのかな。


嫌われたい時には好かれるし、逆に大事にしたい時には傷つけるし。



私って、なんでいつも空回りして、結局何もできないんだろう──


そんなことを思っていた、そのときだった。



ガチャッ。


背後で、扉の開く音。



「……っ!」



びく、と肩が跳ねる。

床にしゃがみ込んだ私の前に伸びる影。


遥風が戻ってきたのかと思った、けれど──



「……千歳ちゃん?!」



背後から聞こえてきたのは、栄輔の声だった。

彼は一瞬固まったあと、慌てて正面に回り込んでくると、私の目の前に片膝をついて顔を覗き込む。


さら、と流れる前髪の隙間、心配そうな丸い目がまっすぐ私をとらえた。



「大丈夫すか?気持ち悪い?」

「ちが、……」



声を出そうとした瞬間、喉の奥が引き攣る。



「……だいじょ、ぶ、」



言葉が喉につっかえて、上手く話せなかった。


おかしい。

喉の奥がずっと熱い。

呼吸が上手くできない。

なに、これ。