さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「……っ!!!!」


バッ!!と慌ててスマホを拾い上げるけれど、勿論もう遅くて。


霞の瞳がゆったりとこちらに向き──

すぅ、と心底苛立たしげに細められる。


ま、ずい。

まずいまずいまずいまずいまずいまずい。

このままでは鉛玉エンドに……!!!!


「たっ、助けていただいて本当にありがとうございましたでは俺はこれで」


表情を引き攣らせながら息継ぎなしでそう言い切り、勢いよく頭を下げて踵を返そうとする。

けれど、そんなことが到底許されるはずもなく。


──グイッ!


背後から力強い腕に抱き寄せられ、いとも簡単に動きを封じられた。


「……逃げんなよ、これ以上」


耳元に落ちる、熱っぽい声。


「行くぞ」


私はぎこちなく振り向いて、恐る恐る聞いてみる。


「どこ、に」

「ホテル」


勘弁してくれ……!!!!

ど直球すぎる返答に頭を抱えたくなる。


承諾したら女バレ、拒否したら鉛玉。

袋小路に追い詰められながらも、私はなんとか交渉を試みようと言葉を絞り出した。


「いやっ、でもこの辺そういう場所あんま無いっ……」

「じゃあここでいいな」

「違う違う違う違う」


ダメだ、今この人理性かなぐり捨ててるから何言っても聞かない!


首筋に顔を埋められ、熱い息が当たる。

Yシャツが乱暴に引き出され、裾から手が入り込もうとしてくる。


待ってやばい、やばいって、それ以上触られるのは流石にっ……!!!!


死ぬほど焦りながらも、抵抗できずされるがままになるしかなかった、そのとき──