「……はぁ、っ、はぁ……っ、」
ようやく人気のないラウンジスペースに転がり込んだ私は、ドサッとソファに身を投げ出した。
荒い息を整えながら、ふっと目を瞑る。
けれど、そのせいで脳裏にしつこくフラッシュバックしてくるさっきのキスシーン。
落ち着こうにも全く落ち着けない。
……というか、こんなの、私一人じゃ抱え込めるわけない。
なんとか解決策を見出したいと思った私は、とりあえずいつものように京に連絡しようと、ポケットからスマホを取り出した。
と、そのとき。
──ヴーッ!!
手のひらのスマホが鈍く震えた。
「っ?!」
びっ、くりしたっ……。
パニックで思わず放り出しかけたスマホを、慌ててキャッチする。
そしてその画面を確認してみると、そこに表示されていた名前は、意外すぎる人物のもので──
『遥風』
息が、止まった。
なんで、遥風……?
彼は睦の件で法的手続きなんかが色々あり、休暇期間中ずっと実家に帰っていたので、しばらく顔を合わせられていない。
最近はたまにLINEでくだらない連絡を取り合うくらいだったのに……どうして急に電話?
私はちょっと戸惑いながらも、荒れた呼吸をなんとか整えると、応答ボタンをタップした。
