さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



お前が俺に本気じゃなかったとしても、それでもここまで踏み込んできたんだったら、最後まで徹底して騙し切るとかできねぇの?


こっちはもう、今までずっとお前のことばっか考えて──

夢にまで見るレベルでバグらされてきたっていうのに。


今になって知らん顔で、全部無かったことにできると思うなよ……?


ギュ、と拳を握り締め黙り込む俺に、京がグイと肩を組んでくる。


「あれー、カス君嫉妬してんの?」


いつも通り、軽薄な声音。

視線を向けると、顔を覗き込んでくる峰間京と目が合う。


彼は、ふっと目を細めて──



「どっちに?」



静かに、そんな問いを投げてきた。



『どっちに』



……待て。

俺は今、何に対して嫉妬してた?


心臓が、ドク、と嫌に高鳴る。


ダメだ。

ダメだと分かっているのに──


こんな状況では、否が応でも自覚させられる。


俺が嫉妬してるのは、茉白が取られたからじゃない。




──千歳が、取られたからだ。