さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜


と、そんなことを考えながら、人気のない一年生のフロアを通りがかったとき。

教室、閉められたドアの窓部分から、ふと見慣れたシルエットが見えた。


「……あれ、千歳と茉白?」

「ホントだ」


俺の言葉に、目を見開く京。

千歳を発見した途端にちょっと機嫌良くなるの、マジで分かりやすいなコイツ。


ちょっと呆れつつ、俺は再び教室の二人に目を向ける。

一年は短縮授業だからとっくに帰れるだろうに、何をダラダラ残ってんだコイツら。

しかも誰もいない教室で二人きりって。


……エロいことでもしてんじゃねぇだろうな?


もう少し近くで見ようと、身を乗り出して窓から覗き込んでみる。


オレンジ色の夕日が差し込む教室。

千歳の色素の薄い髪が光に透け、窓の隙間から差し込む風にさらりと揺れている。


しかも、なんか雰囲気違うと思ったら、珍しく眼鏡をかけていた。

なんかオフ感あって可愛……じゃ、なくて!

あいつ、何抜け駆けしてんだよ。


しかも横並びで妙に距離近けぇし……

まさか口説いてんのか?俺を差し置いて?ふざけんなよ。


苛立ちに任せて、二人を邪魔してやろうとドアに手をかけた──

そのときだった。