──そういうことがあるんだ、とは幼い頃から知っていたけれど。
実際、友達がこうしてそのシステムの毒牙にかかっているとなると、やはり話が違ってくる。
芸能界って、どこまでも汚い。
才能だの努力だの、煌びやかな文言ばかり並べておいて──
裏ではよくもまぁ、こんな猿みたいな取引を続けてこれたものだと思う。
大人に都合の良い選択だけが、『賢い』『プロ意識が高い』とか言われて肯定されて。
結局は茉白ちゃんみたいに、自分で自分を納得させなきゃいけなくなるなんて。
…………吐き気がしてきた。
一瞬にして思考がぐちゃぐちゃに絡まり、何も言えずに俯く私。
そんな私の隣で、茉白ちゃんは静かに言葉を続ける。
「……だからね。向けられる下心には、もう飽き飽きしてて」
彼女はそこで言葉を切って、ちょっと躊躇った後。
ふっ、と私と視線を合わせて、優しく微笑んだ。
「──でも、千歳だけは、私のことを品定めしないでいてくれた。それでどれだけ私が救われてたか、千歳はたぶん分かんないよね」
「っ……」
思わず、息が詰まる。
