「だから、千歳は大丈夫。むしろ一緒にいて落ち着くかな」
「……そっ、か」
同性特有の安心感を見抜かれていることにヒヤヒヤしつつ、だからといって『いや……俺だって男だよ?』とかキショいことを言うわけにもいかないので、私は微妙な反応だけ残して黙り込む。
結果、教室に降りる沈黙。
何か喋ったほうがいいんだろうけど、勘のいい茉白ちゃんの前でこれ以上ボロを出すのが怖くて、こちらから話題を提供しづらい。
気まずいな……水でも飲んで誤魔化すか。
そう思って、私が机に置いていたペットボトルを口につけた──
その瞬間。
「私ね、枕してんだ」
「ッ?!ゲホッゲホ……!!」
急にぶっ込んだ話題を出され、思いっきりむせ返った。
身体を折り曲げて涙目になる私に、「大丈夫?」と背中をさすってくれる茉白ちゃん。
いやごめんけど、大丈夫?はこっちのセリフだ。
今なんて?まっ……枕?
ずっと思ってたけど、この子おっとりしながら不意打ちでとんでもない爆弾をぶっ込んでくるのなんなんだ。
数秒間咳き込み続けたあと、ようやく自分の呼吸を取り戻した私は、掠れた声でなんとか絞り出す。
