内心首を捻る私をよそに、夏葉ちゃんは「あっ、うちは断然峰間派なんでごめんね」とすかさず断ってくる。知ってるよそれは。
「……てかさぁ千歳に聞きたかったんだけど、京ちゃんって元カノとかいんの?」
峰間京繋がりでふと思い出したのか、シャーペンを置き、ぶっ込んだ質問を投げかけてくる夏葉ちゃん。
勉強会の真面目なムードはどこへやら、いつの間にか恋バナ大会の開幕らしい。
私はどこまで言っていいのか分からないので「まぁ、そりゃいっぱいいただろうね……」と濁すけれど。
「えっ、どんな子どんな子?顔の系統とかどんな??」
そのまま逃がしてくれるわけもなく、身を乗り出して食いついてくる夏葉ちゃん。
うーわ、これ絶対、何か答えるまで帰してもらえないやつだ。
とはいっても、私は峰間京の女遊び時代の遍歴なんてよく知らないし……サンプルとして提示できる子といえば、一人くらいしかいないんだけど。
若干後ろめたさを感じつつも、私は脳内で彼女の姿をぼんやりと思い出す。
